2007-10

タロットカード殺人事件

2006年 イギリス/アメリカ
原題:SCOOP
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン
   ウディ・アレン、イアン・マクシェーン

評価額 800円

『土曜ワイド劇場 女子大生事件記者サンドラの事件簿
〜素人探偵コンビが、イケメン英国紳士の謎にせまる〜』
という感じ。ミステリーの筋書きに乗せたコメディ。
教訓めいたテーマもなく、シリアスさは皆無でひたすら軽い。
ウディ・アレンは、これまではごちゃごちゃ説教じみたことを
言う、取ってつけたような役が多かった印象だけど、今回は
割とストーリーに自然に溶け込んでいてあまり邪魔には
なっていなかった。むしろ、観客がいちいちウディ・アレンの
台詞に反応して笑っている方が邪魔だった。

ウディ・アレンや、出演者のファンでなければほぼ見所のない
凡作だけど、1時間半何も考えずに楽しむには悪くないかも。

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題名のない子守唄

2006年 イタリア
原題:LA SCONOSCIUTA
英題:THE UNKNOWN WOMAN
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ、マッシモ・デ・リタ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:クセニア・ラパポルト他

評価額 900円

かなりベタなサスペンス。演出とか効果音とか、取ってつけたような
ミスリードもベタ。これだけのベタドラマなのに、B級っぽくない
ところはさすがトルナトーレさん。まあ、この人の映画観たの初めて
だけど。

実際、なかなかスリルもあって引き込まれるのだけど、徐々に盛り上がって
いくというよりも、様子が分かるにつれてテンションが下がって行く感じ。
で、オチも見えてきたなあというところで予想通りのオチがあって、最後に
どんでん返しが...と、言いたいところだが...そのどんでん返しが最大の突っ込み
どころになってしまったのでした。ラストシーンも蛇足で興ざめ。

とは言え、久しぶりにサスペンスとして楽しめる映画ではあった。かな。

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インランド・エンパイア

2006年 アメリカ/ポーランド/フランス
原題:INLAND EMPIRE
監督・脚本:デヴィッド・リンチ
出演:ローラ・ダーン他
ちょい役:ウィリアム・H・メイシー、裕木奈江他

評価額 1,500円

最初の一時間ぐらいは、結構ストーリーらしきものがあるように
進んで行くのだけど、その後はリンチワールド全開!?

知らんがな。

『マルホランド・ドライブ』に続き「ハリウッド」映画なのだけど、
『マルホ...』よりもシーンが複雑に錯綜している。解釈できそうで
できないみたいなのよりは、いっそこのぐらいナンセンスな感じの
方が、安心して浸ることができるけど。この雰囲気が好きな人なら
かなりハマるのではないだろうか。

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明るい瞳

2005年 フランス
原題:LES YEUX CLAIRS
監督・脚本:ジェローム・ボネル
出演:ナタリー・ブトゥフ他

評価額 1,800円

予告では、ユーモラスなシーンの連発のように見えたけど、主な
笑いどころがほとんど出尽くしており、本編は別にコメディでは
なく、ユーモアがちりばめられているという程度。

兄夫婦とごちゃごちゃやりあいながら今ひとつコミュニケーションが
うまくいかない前半と、言葉の通じない相手と打ち解ける後半とに
はっきりと分かれた構成になっている。

テーマらしきものも感じられるけど、個々のシーンだけでも十分に
見応えがあって、監督のやりたいことがストレートに伝わってきた
ような気がした。これは観に行ってよかった。

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パンズ・ラビリンス

2006年 メキシコ/スペイン/アメリカ
原題:EL LABERINTO DEL FAUNO
英題:PAN'S LABYRINTH
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
製作:アルフォンソ・キュアロン他
出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ他

評価額 1,200円

予告や公式サイトでは、内戦&家庭の事情で過酷な生活を強いられている
少女が、あるきっかけで迷宮の入り口を見つけて冒険へと向かう...
と、まあ冒頭で過酷な現実を描いて、その後は尺の大半が冒険ファンタジー
なのだろうと思わせるような説明がなされているのだけど...

ぜんぜんちがった。実際は、現実(戦争):ファンタジー(迷宮)=7:3
ぐらいの割り合い。これ、親子連れとかデートでハリー・ポッターみたいな
のを期待して観に行ったらかなり悲惨だな。戦争の描写は目を背けたくなる
ような場面のオンパレードだし、迷宮の世界も結構グロいし。
まあ小奇麗なファンタジー映画を観たいとも思わないので、これはこれで
見応えはあって、シーンごとの視覚的な効果は印象に残るものだった。

ただ、物語にはほとんど入り込めなかった。
現実とファンタジーが対比されているけど、主人公の少女オフェリアにとっての
現実の過酷さがそれほど切実なものに感じられないので、迷宮で与えられる
「試練」を乗り越えるスリルがほとんどない。まあ、失敗しても現実の世界で
おとなしくしてりゃ現状は維持できるんじゃないの?...的な。
その「試練」も、びつくりするほどお手軽で、オフェリアが「志村うしろ」級の
ボケをかまして、ようやく失敗するというレベルのもの。
「最後のチャンス」だけは、ひとひねりあって、終盤の山場にはなっているの
だけど...

あと、戦争の方も、体制(独裁政権)側 vs ゲリラ側 という構図なのだけど、
オフェリアの味方ともいえるゲリラ側を正当化できる要素はあまり感じられないし、
体制側のボスである、オフェリアの義父ヴィダル大尉も、どことなく憎みきれない
キャラに映る(最後に「うわ、こいつワルじゃん!」てなるのだけど)ため、
「どっちもどっち」に見えて、手放しでゲリラ側を支持できない。
で、これがオフェリアの冒険の動機をさらに不明瞭に感じさせてしまっている...

終盤にようやく筋が整ってくるのだけど、それまでの経過がすっきりしない分、
オチも唐突に感じられて「よさげ」なシーンなのだけど入り込めないという
残念な結果に...

映像・音響・演出などはかなり良かったので、余計に残念。

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サウスバウンド

2007年 日本
監督・脚本:森田芳光
原作:奥田英朗
出演:豊川悦司、天海祐希 他

評価額 500円

原作は、前半(東京編)はテンポ良く読み進められたのだけど、
後半(沖縄編)はやや間延びした印象があった。これはこれで
東京と沖縄の時間の流れ方の違いがうまく描写されてるのだな
などと思っていたのだけど、映画では前半がダイジェスト版の
ようになってしまい、後半は後半で展開が安易に見えてしまった。

トヨエツは、一見ハチャメチャに見えて、実は筋が通っているという
父親一郎を怪演(?)。役柄も演技もかなり『弁護士のくず』に近い
ものがあり、このあたりをどう見るかは好みの問題か。『くず』同様
原作の人物像に比べて、ややきれい過ぎる印象はあるけど。
二郎、桃子あたりはなかなか好演だったけど、一部、観客を脱力させる
ほどの棒読み演技がちらほら。その脱力感も味といえば味だが。

同じ森田監督の『間宮兄弟』では、演出のゆるさと原作のゆるさが
そこそこうまくマッチしていたけど、この作品では残念ながら原作の
良さを損ねてしまっているような気がした。原作を知らない方が
素直に入り込めたかもしれない。


 

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ナルコ

2004年 フランス
原題:NARCO
監督:トリスタン・オルエ、ジル・ルルーシュ
脚本:ジル・ルルーシュ
撮影:永田鉄男
主演:ギョーム・カネ
カメオ出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム

評価額 2,000円

発作的にどこでも眠ってしまうナルコレプシーを患っている
せいで仕事に就いても失敗ばかりですぐクビになってしまう
主人公が、自分の夢で見た出来事をコミックにしてお金を稼
ごうとするのだけど、その才能を巡って一悶着あり...

と、いかにも面白くなりそうな着想で、予告を見たら絶対に
本編も観たくなる...
こういう場合、予告を見て期待した以上に本編が面白かった
ことってあまりないのだけど、この映画は違った。期待以上。

睡眠とか夢を利用したギミックはこけおどし程度にしか使われて
おらず、ストーリーは素直でわかりやすい。このあたり、ひねり
が足りないとも思えるけど、ポップな音楽や映像(ちょっと
凝った映像表現もあり)と笑いがちりばめられていて、テンポ
は良く、飽きることは無かった。脇役たちがみんな個性的で
面白く、主人公不在の間も十分見応えがあった。強いて言えば
終盤はちょっとテンポが衰えて、ストーリー的にも「あれれ、
そんなオチかい」とも思ったけど、まあ許容範囲。
愛憎だの友情だのもほどほどに描かれていて、単なる「オサレ
映画」と言えるほど薄っぺらくもないけど、登場人物の内面を
それほど丁寧に描いているわけではないのでウェットすぎることも
ない。

以下、豆知識。
監督・脚本のジル・ルルーシュはスケーターの片割れ。
主人公ギュスの父親役は今年亡くなったジャン=ピエール・
カッセルという人で、ヴァンサン・カッセルのお父さん。
撮影の永田鉄男は『エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜』も撮っている。
ギョーム・カネの奥さんはダイアン・クルーガー。
刑事の片割れは『明るい瞳』の主人公の兄さん。

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ブラック・スネーク・モーン

2006年 アメリカ
原題:BLACK SNAKE MOAN
監督・脚本:クレイグ・ブリュワー
出演:サミュエル・L・ジャクソン、クリスティナ・リッチ、ジャスティン・ティンバーレイク他

評価額 1,000円

クリスティナ・リッチが演じるセックス依存症の女が鎖で繋がれて監禁されて...
と、どんだけハードな映画なのかと思わせておいて、実は結構ほのぼのドラマ。
全然エロくないし。

サミュエル・L・ジャクソンが演じるおじさんのブルースは、女の更生には思った
程重要ではなかった。むしろ、金八っつぁん的に、ごちゃごちゃ言葉で説明して
教育している。で、それが結構簡単に功を奏して、終わってみればなんともさわやかな
お話だった。

軽い人間ドラマつきの娯楽映画かな、これは。

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キャンディ

2006年 オーストラリア
原題:CANDY
監督:ニール・アームフィールド
脚本:ニール・アームフィールド、ルーク・デイヴィス
出演:ヒース・レジャー、アビー・コーニッシュ、ジェフリー・ラッシュ他

評価額 1,800円

映画の宣伝があてにならないのはいつものことだけど、これはひどい。
一応「ドラッグ」「セックス」とは言っているけど、かなりきれい目な
恋愛ものを想像させているのだけど...

まあ、それはそれとして映画はかなり良かった。べつにきれいな恋愛もの
とか観たくないし。「天国」「地上」「地獄」の3部構成のようになっていて、
主人公の2人が堕落していく様は痛快ですらある。ヒース・レジャーもアビー・
コーニッシュも、それなりに魅力のある役をうまくやっているし、ラストの
ややソフトなまとめ具合もなかなか良い。

映像や音楽も良かったし、こんな詐欺的な宣伝じゃなくて、実際の内容が
わかるようにすればよかったのに。

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